チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調 Op.64 指揮:ロヴロ・フォン・マタチッチ チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1960年3月15日プラハ、芸術家の家、ドヴォルザーク・ホール ステレオ(セッション) マタチッチが残したロシア音楽の録音は決して多くありませんが、いずれも名盤として知られるものです。この第5番もまた全盛期のチェコ・フィルの素晴らしさと相俟って聴き応え充分の内容です。過度なロマンティ時ズムや民族色を強調せず音楽の品位を保つなかで、表現のレンジは深く広く、この上ない充足感をもたらす演奏です。チェコ・フィルの音色も弦も感も実に魅力的。例えば第2楽章のホルンなど、惚れ惚れさせてくれます。 些か神経質で誇大妄想的な匂いのするこの曲を、マタチッチは大きく掴んで枝葉に拘ったりせず、スッキリ素直に纏め上げているように感じられるが、かと言って細かなフレーズにも神経は行き届いているところは流石。それに、シルクのようなチェコ・フィルの弦、独特な甘い音色の木管、ホルンの情感ある巧さは格別だ。金管も他に劣らずの強奏だが不思議とアレルギーは起きない。ムラヴィンスキーと並ぶ味のある名演。録音も明瞭。買って損は無いです。 情念に浸る歌い回しはほとんどなく、頑固爺さんのように早めのテンポで愚直とも言えるほどひたすらまっすぐにどんどん進んでいく。だが、それがマタチッチの場合なぜか不自然には聞こえない。武骨だがどことなく愛嬌があり、何とも言えぬ魅力を感じる。チェコ・フィルもニュアンスに富んだ演奏で実力を遺憾なく発揮している。1960年の録音だが、特に金管群は相当鳴らしているにもかかわらず艶を失わないいい響きだし、弦は弾き方による若干の荒さは感じるものの、音質的には全く問題ない。他のどんな巨匠とも違う個性的なマタチッチの名演を是非とも多くの方に味わっていただきたい。 国内盤、帯付き、盤面傷無し 12 開封済ですが新品に近い美品です *まとめ買い値引き致します(要事前コメント) 2枚購入→150円引き、3枚購入→300円引き 4枚購入→450円引き、10点以上は全品150円引き